皆さん、お久しぶりです。浦ノ内通信の更新です。
つい先日、マダイの産卵が始まりました。
池入れ予定日はまだですが、産卵してくれたので一安心です。
今年も良い稚魚を作れるよう、社員一同力を合わせて頑張っていきます。
その稚魚の元である卵を少しご紹介していこうと思います。
マダイは分離浮上卵なので、良い卵ほど水面に浮いてきます。その日の卵を浮上卵、沈卵にわけて重量を量ります。
今回は、マダイの卵の採卵作業を体験させてもらいました。
まずは採卵ネットに集められた卵をバケツに入れます。卵が浮き上がるまで数分待ちます。
そして、浮上卵だけを丁寧にすくい、パンライトに移していきます。
さらにそこから、浮上卵の重量を量るため、小さいネットへ移します。
一つ一つの作業を慎重にやらなければいけないので、卵を移動させる作業は見守ってもらいました。
緊張しましたが、何とかやり遂げることが出来ました。
そしてたくさんの卵が集まると・・・
きれいなオレンジ色になりました。
ビーカーの中では色はわかりにくいですが、一粒一粒はオレンジ色をしているんです。
では、卵の世界を少しのぞいてみましょう。
マダイの卵は大きくても1mm程度なので肉眼で見ることができますが、一粒一粒の状態や違いまでは見ることができません。
そこで登場するのが顕微鏡です。
これは、実態顕微鏡といいます。主に仔稚魚、微生物を観察するのに使います。
これで卵を観察すると・・・
均一の卵がきれいに並んで見えます。
しかし、これではまだ全部が同じ様に見えてしまいます。
そこで登場するのが・・・
この光学顕微鏡です。
この顕微鏡では、マダイが産卵を始めてから孵化後20日頃まで毎日観察を行っています。
この顕微鏡で卵を見てみると・・・
初めて見る方も多いのではないでしょうか。
一粒の卵の細部まで見えるようになりました。この写真の卵は午前10時ごろに見たものです。
時間が経過すると・・・
だいぶ形が出来てきているのがわかります。実は矢印の部分は目になる所なんです。
この写真は同じ日の午後3時ごろに見たものです。
そして次の日の午前10時ごろには・・・
なんと孵化しています。形はまだマダイっぽくはないですが、魚の形をしています。
約1日で卵の状態から孵化までと成長が早く、これを見るたびに生命のすごさや不思議さを実感します。
やがて孵化後45日前後で沖出しされ、8cm以上になるとお客様の元へ出荷されます。
以上普段、見れないミクロの世界をご紹介しました。