2011年10月10日月曜日

No40 因島種苗生産技術交流会にて研究成果を発表しました

8月に開催された第9回因島種苗生産技術交流会で、これまでの弊社におけるマダイ育種に関する取り組みについて発表しました。その内容を簡単に紹介させていただきます。

弊社では、耐病性、高成長を兼ね備え、色・形のきれいなマダイ種苗を作り出すことを育種目標に掲げています。そのための取り組みとして、2005年度生産において、初めてマイクロサテライトDNAマーカーを用いた親魚の選抜方法を導入しました。その後、独自に遺伝子連鎖地図を作成し、アリル頻度解析、QTL解析、親魚の成績評価、血縁率算出など、年々様々な判定基準を設け毎代の親魚を選抜してきました。
しかし、これまでに行ってきた選抜では優良系統の作出を優先し過ぎた為に遺伝的多様性への配慮が欠けており、このままでは近交弱勢(近親交配による繁殖力や生存力の低下)が生じる可能性が出てきました。
そこで、2010年度生産以降は、遺伝的多様性を最優先に考えた選抜方法を採用することになりました。それまで優先して取り組んできたDNAマーカーを用いた選抜は、一部の家系においてのみ用いています。
今後は、遺伝的多様性と優良系統の作出についてバランスが取れた育種を行っていきたいと考え、日々の研究に取り組んでいます。

この内容は8月17日「日刊みなと新聞」、9月1日発行「月刊養殖」にも掲載されました。

現在、2012年春仔生産のための親魚をデータ上で選抜しています。
12月に海上生簀から陸上の親魚水槽に収容する予定です。

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