2011年10月10日月曜日

No41 日本水産学会にて研究成果を発表しました

平成23年度日本水産学会秋季大会において弊社で行った研究の成果を発表しました。2演題発表しました。内容は以下です。

① 「マダイの種苗生産における産卵量と親魚の産卵参加率の関係」
これまでの弊社の生産の記録から、産卵期のマダイの総卵量は初期の頃は少なく、やがて徐々に増加することが分かっていました。しかし、その理由が不明だったため、卵量の多い日と少ない日を選び出し、それらの稚魚の親を特定することで産卵に参加している親魚の構成がどのように違うのかを調べました。その結果、卵量の多い日は少ない日に比べ、6尾も多く雌親魚が産卵に参加しており、卵量の多かった理由は産卵に参加した雌親魚数の増加が大きな要因だったことが分かりました。これにより、卵量の多い日に採卵し・生産を行うことで、継代飼育において重要な遺伝的多様性の確保に繋がることが示唆されたため、今回の内容を今後の生産に役立てていこうと考えています。

② 「マダイ体色異常におけるマーカー選抜の可能性 」
マダイの体色異常はマダイ特有の赤みがなく、青っぽく見え、形態的異常も伴う場合が多くあります。そこで、体色異常と遺伝子の関係について調べ、体色異常の出現を抑制することを目指して研究を行いました。その結果、体色異常は遺伝的要因によって引き起こされることが判明し、その遺伝子の位置を特定することも出来ました。更に、それぞれの個体が体色異常の原因となる遺伝子を持っているかがわかるようになりました。これにより、原因となる遺伝子を持っていない親魚から採卵することで、生産する稚魚の体色異常発現を抑制することが可能となりました。今後は、同様の方法で耐病性等についても研究を行っていきたいと考えています。

0 件のコメント:

コメントを投稿